高崎市金古町にあります、常仙寺様にて伝統的な和型のお墓が完成しました。
2018年9月16日 日曜日
こんにちは。
群馬県一円で、お墓の仕事をさせていただいています、高崎市の石材店 天翔堂の岡﨑です。
群馬県高崎市金古町にあります、常仙寺様にて伝統的な和型のお墓が完成しましたのでご紹介いたします。
今回のお客様は、以前弊社で施工させていただいたお客様からのご紹介でした。
誠にありがとうございます。
まずは、墓地をみさせてもらう事から始まりました。
寺院墓地では、伝統的な和型墓石が多く見られます。
こちらのお寺様でも、和型(背の高い)のお墓が多いようです。
お客様も和型をご希望で、お線香があげやすくて、出来ればベンチのあるお墓にしてほしいとの事でした。
まず、作図させていただいたのは、全て白御影石で手前が広くてシンプルなものです。
図面は、お客様の墓地へ合成したものです。
中国産白御影石であれば、お値段は抑えられという事もあり、まずはお値段を重視しながらの図面を作成してみました。
こちらは、ほぼご希望通りの図面です。
お線香をあげやすく、一段目の土台石が通常より高くなっており、ベンチも高さがあり座りやすくなっています。
敷石の中央には、和型にあった蓮の花を滑り止めとして彫刻してあります。
お石塔本体は、中国産のグレー御影石です。
お客様に2~3種類の図面をご提案させていただいたところ。
ベンチ付きのお墓に決定しまして、工事のご依頼をいただきました。
大変、ありがとうございます。
早速ですが、基礎工事に入らさせていただきました。
こちらの墓地は、囲い石(外柵)が設置される基礎が出来ています。
ですので、基礎工事は納骨室周りのみとなります。
納骨室部分の型枠や鉄筋、水抜きを入れます。
手前の通路が広く、直接生コンクリートを搬入できました。
職人さんが右手に持っているのは振動が出る工業用バイブです。
この機械で、生コンクリートの中の気泡を抜いていきます。
気泡を抜くと、強度が上がり仕上がりも良いです。
仕上げは、専用のコテを使い丁寧に作業します。
基礎は、1週間~10日間ほど乾かします。
その後、型枠を外して石材の設置をしていきます。
石と石が接する面には、石材用の接着剤を塗ります。
1つは乾いても弾力のあるもの、もう1つは乾くとガチガチに固まるものです。
2つの接着剤はお互いを補う効果があります。
石と石の設置面には、全て2種類の接着剤を使用します。
こちらは、上の面に穴が空いています。
これは、2段目の石材にも穴が空いていて、ズレないように(ステンレス棒)が入ります。
わかりやすく絵にしてみました。
地震などで石が動いてしまわないように、このような加工をしています。
ただ、この加工が最重要というわけではなく、最重要なのはお客様に安心してもらう事です。
それから、耐震対策としてステンレスの金具を取り付けていきます。
今回は、1段目の石の高さが45㎝ほどあります。
通常は、30㎝ほどで金具を1つ取り付けています。
石と石には、今回は高さがあるので(2つ)耐震ステンレス金具を取り付けました。
また、石と基礎には同じく耐震ステンレス金具を取り付けました。
さらに、ステンレス金具に接着剤を塗りました。
こうして石とステンレス金具の接着面に、接着剤を塗る事で細かい部分ですが、何重にも地震対策をしていきます。
耐震ステンレス金具の取り付け方です。
まずは、ドリルで穴を空けてアンカーボルトを入れます。
そこへ、接着剤を塗った金具を取り付けます。
それから、ナットの取り付けをします。
道具を使って、よくしめます。
耐震ステンレス金具はこのように、ひと手間をかけて取り付けられます。
天翔堂さんは施工時間が、他社石材店と比べ長いと言われた事があります。
その理由としては、このように時間をかけて見えない部分をしっかりと工事しているからなのです。
納骨室(カロート)は、お石塔本体を支える重要な部材です。
ですから納骨室の石材の厚みは、少し厚めになっています。
また、納骨室前部は耐震、土圧対策として別部材に溝を掘り、そこへ納骨室の部材をはめ込む作りとなっております。
納骨室の後ろですが、こちらも溝があり石がズレにくくなっております。
納骨室の構造を絵にしてみました。
次は、前にきて敷石を取り付けました。
敷石は、勾配をつけて取り付けました。
前(通路)に水が流れるようになっております。
その敷石の左側には部材が1つ取り付けられます。
この部材も、接着剤だけでなく溝に入れ込む方法により強度を上げていきます。
溝をつける事で接着面も増えます。
上から見た写真です。
溝に入れる事で、内や外から力が加わった時に、石が動いたり、外れないようになります。
次は、ベンチの取り付けです。
同様に、接着剤を使用して取り付けをしていきます。
ベンチも完成しました。
下にはお掃除道具などが入れられるようになっています。
次は、2段目の囲い石です。
耐震金具にも接着剤を塗っていきます。
耐震棒の取り付けも、ひと手間かかります。
また、塔婆立ても耐震対策をしてあります。
ちょっとピンボケしてますが、塔婆立ての石柱に突起があり、そこへ穴が空いている笠石がはめ込まれるという構造になっております。
専門的な話ばかりですが、私達がたくさんのアイディアを出し合ってこだわって工事をしているのは、全てはお客様に安心してもらう為です。
これで、外柵(囲い石)全て取り付けられました。
次に、お石塔本体の一番下の台の取り付けです。
接着剤を使用しているのは、もう説明しなくてもわかりますね。
下から2番目と3番目の台には穴が空いております。
その穴へステンレス棒でなく、四角い石がはめ込まれるようにになっております。
下から3番目と4番目のお石塔にも、同様な施工がされています。
お石塔を取り付けて、コーキング目地をして、お掃除をして完成です。
今回は、墓誌台をベンチと同じような形にしてみました。
また、敷石の模様は私がデザインした蓮の花です。
完成写真です。
シンプルですが、ベンチも物入れもあり、お掃除もしやすい設計となっております。
後日納骨の立ち合いがあり、故人のご遺骨を納めさせていただきました。
納骨室の2段目は、取り外し可能な設計で全面が石の棚になっています。
納骨は、少し前に来て掃除などをして準備します。
そうして、打ち合わせから始まりたくさんの工程を経て、無事に納骨が終わりました。
お施主様には(立派に出来て良かった。お世話になりました。)と声をかけてもらいました。
私どもは、お施主様から直接その言葉を聞けて、納骨が無事に済んでやっと一息つけます。
また、これから長いお付き合いになると思いますが、よろしくお願いいたします。
本当に、工事のご依頼をいただきましてありがとうございました。
皆様も石材店で工事内容は違いますが、参考にしてみてください。
ご覧いただきありがとうございました。
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株式会社 天翔堂(てんしょうどう) 店長 岡﨑 輝行
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